コラム「SMクラブの利用者は本当にMなのか」

この業界に関わっていると、たまに頂くご質問。

「普段の出会いの中で、この人はMだ、Sだとか分かりますか？」

正直、そのように意識した事がないので相手がMなのかSなのか私には分かりませんし、そもそもSかMかの物差しで人を見てはいません。

仮に、相手がMだと仰っても、私から何かする事もありません。

何故なのか、自身の考えるSM観と共にお話しいたします。



■SMに於いての一時的な事柄と対象
まず、SMクラブはプライベートや他の性風俗では体験し得ない遊びを楽しむ場所であると、私は存じております。

では、そこへお越しになる方は、果てして本当にMなのか？変態なのか？

まずそこが疑問です。

SMクラブへ来たからMなのか？変態なのか？
度合いの定義はそれぞれですが、少なからず興味はおありでも、皆がM、皆が変態だとは言い切れないのです。

何故なら、その方は「ひと時だけ」又は「誰かの前だけ」
隠れた趣味を出せるのかもしれないのです。




■「誰かの前だけ」という対象
普段は普通で、むしろ日常では人に厳しく接しているような方が、
何十億人ものの中でも、たった数人、たった一人の前だけしかマゾヒズムを感じていなかったら、
果たしてその人のことをMだと言い切れるのか？ということです。

「特別な対象」の前だからこそ、その方のSMは成り立つのです。





■「ひと時だけ」という非日常
普段の日常があるからこそ、人は非日常・アブノーマルに惹かれるものです。
では、普段の生活の中で、アブノーマルな姿へなれるのか？アブノーマルが出来るのか？ということです。

「特別な時間」だからこそ、アブノーマルなことが出来るのではないでしょうか。





■偏見のないSMクラブ
上記の通り、SMクラブへ遊びに来られた方が、普段からMで変態であるとは言い切れず、断片的な部分で他人を決め付けることをしていません。

それは、偏見を持っていないということです。

一般の方からすると、SMクラブだから痛いとか熱いとかが好きなのか、という発想が多いかと思いますが、それは表面的であり、実状はもっと深い精神性が絡み、個々の関係性が存在し、各々で楽しみ方が違います。

私はそこがSMクラブの楽しさだと思っております。

女王様の中には、Mなんだから虐められたいんでしょう？という方もいるかもしれませんが、
その方がMになれる「対象」であること、Mになれる「事柄」であるからこそ、その方はMになれるのであって、
何でもいい、誰でもいいのであれば、相手は女王様じゃなくてもいいのです。

Mであるかどうかの前に、Mになる快楽がそこにあるのかが重要であると考えます。

少なからずSMクラブに興味を持って頂いた方に、私はこの世界でしか感じ得れない「悦び」を得て欲しいと思っています。

SMクラブを利用する受け手側も攻め手側も、偏見を持たず、お互いに非日常を楽しむ場所であればと願っております。

SMクラブこそ、そうあるべきだと思うのです。




■最後に。
皆様も、特別な相手と特別な時間を、存分に楽しんでくださいね。

限りある人生の中、特別なひと時を楽しみましょう、、、

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